杉本会計事務所

代表コラム
DIRECTOR
COLUMN

2023.02.28
Contributor:motoki

金融機関への決算説明は積極的に

2月末は12月決算法人の税務申告期限。3月と並んで法人決算期としては数が多く、会計事務所としても繁忙期の中で一つの区切りとなります。

さて決算が終わると、借入がある企業は金融機関へ決算書を提出しますが、業績が厳しい企業は決算内容や今後の見通しについて説明を求められます。

この決算説明の場に、クライアントや金融機関の要請で、会計事務所として同席する機会が増えています。

金融機関としては、コロナ融資の返済もあり、決算実績はもちろん、この先の事業計画を検討する上で、会計財務に関わる我々の見解を確認したいのでしょう。

融資を受ける側としては、業績を上げ返済を滞りなく行うことが一番ですが、ここで金融機関との信頼関係を築く上での巧拙は、次の3点がポイントになると考えます。

①決算書・申告書のみ提出→決算概要等の説明資料を添付する
②事業計画が数値のみで根拠は口頭説明→主要項目の算定根拠資料を添付する
③決算説明は金融機関からの要請→自発的に場を設ける

①については、税務申告用の内訳書は添付しないなど、なるべく金融機関に決算資料を開示したがらない経営者もいらっしゃいます。

しかしながら、金融機関は「内容がわからない」ことに不信感を持ちますから、税務申告資料等は全て提出し、さらに決算全般の説明資料を添付して、実情を積極的に開示し理解してもらうことが望ましいと考えます。

②の事業計画も求められることが多くなっていますが、前期にプラスアルファした数値のみの安易な計画は、返って信頼性を損ねます。

先行き不透明ではありますが、だからこそ想定・根拠を持って計画し、実績対比で軌道修正(予実管理)して行く必要があります。自社のために作成する計画を、その根拠を含めて金融機関にも共有しましょう。

現下の経済情勢では、調達サイドのコストアップを販売サイドに価格転嫁できるのか、賃上げを実施するのかしないのか等を、数値にしっかり織り込むことも必要です。

また事業計画は損益計画だけではなく、金融機関が重視する資金収支計画もmustです。

本来資金収支計画にはバランスシートも必要ですが、そこまで作成できていない企業は多いので、バランスシート見込みも作成できれば、計画の信頼感はさらに上がります。

③の決算説明を金融機関が求めるのは、それが必要と考える、すなわち返済に懸念のある融資先が主体です。

心配されて金融機関から決算内容を問われる前に、自発的・積極的に説明の場を設けて、実績と計画をきちんと説明し安心感を与えることが必要です。

期中も月次決算を早期化し、月次試算表の定期的提出をルーチン化しておくことも基本です。

最後は、返済できるか出来ないかになりますが、長期にわたり継続的に融資を受けている企業にとって、返済実績のみならず、金融機関との信頼関係は非常に重要です。

今回は決算説明における企業と金融機関の信頼関係構築の要点を挙げましたが、会計事務所としてサポートできる部分も多く、求められる状況も増えて行くと思いますので、我々も積極的に三者協調体制を作って行きたいと考えています。

New Column

Director Column

View More

Staff Column

View More