杉本会計事務所

代表コラム
DIRECTOR
COLUMN

2023.01.31
Contributor:motoki

solitudeとloneliness

コロナ禍以降、女性や若者の自殺者が増加し、国も担当相を設けるほど「孤独」は重要かつ深刻な問題ですが、今回は敢えてネガティブで重たい側面には立ち入らず考えてみました。

現在全国の単独世帯数は15百万を超え全世帯の40%近くになっており、夫婦・子供世帯の25%を大きく上回り最多世帯区分となっています。

小売りの世界ではもうずっとそうですが、スーパーやコンビニでは、スモールポーション(小分け)の食品や総菜等が本当に多くなっています。

単身者には丁度よく、家族でもそれぞれが好きなものを選べるので、好都合とも言えます。

さらに、ソロキャンプや、一人カラオケ、一人焼肉、一人ディズニーなどもあり、消費の個別化はどんどん進んでいますね。

もはや顧客をある種の属性の塊としてセグメントするのではなく、いかに個人の嗜好に合わせてパーソナライズするかがより重要になって来ています。

これは大量生産・大量消費とは対局の方向性で、商品・サービスに独自性があれば、SNSやMA(マーケテイングオートメーション)等のITを活用することで、中小企業もチャレンジできる余地がありそうです。

少しビジネスの話に逸ましたが、個人としての「孤独」については、下記二つの英単語に合わせた捉え方があります。

solitude:積極的孤独・楽しめる孤独
loneliness:消極的孤独・望まない孤独

私の身近なsolitudeとして、従来からの読書とここ数年よく行くようになったソロ登山があります。

読書は早朝・深夜に目が覚めて短時間没入することもありますし、今でも時々休日に一人図書館に行き、数時間読み続けることもあります。

ビジネス書以外に様々なジャンルの本を読みますし、この孤独な営みから得られる新たな知識や感動には、他にはない精神的充足感があります。

また、危険を承知のソロ登山は、一人周囲を自然に囲まれる中で、日々の仕事や生活の諸々をより小さいものとして相対化することが出来ます。

そして「どれも何とかなるよ」とおおらかなマインドになることで、心身共にリフレッシュできる大切な機会になっています。

私の年齢の一人図書館やソロ登山は、周囲から「一人寂しい可哀そうな人」に映るかも知れませんが、心は閉じていないので、そこで人と接すれば挨拶も会話もします。またこれが普段以上に心地良かったり。

自己完結で自分を高めたりメンテナンスできる孤独な時間を持つことは、人(社会)との接点をより充実させたり安定させるために、むしろ必要な時間だと思います。

孤独と言えば、種々の事情で本人が意図しない周囲や社会からの断絶・孤立状態(loneliness)の方がクローズアップされがちです。

勿論こちらは無くす方向へ対処が必要ですが、同じ孤独でも、楽しむ孤独(solitude)の方を日常の中で取り込んで行きたいものです。

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