杉本会計事務所

代表コラム
DIRECTOR
COLUMN

2022.12.31
Contributor:motoki

人材管理の基本を見直す

今年も、働き方改革・多様性・副業・賃上げ・人的資本等々、人材管理に関わる経営課題が数多く取り上げられましたが、人手不足の中、採用には苦労された企業も多かったと思います。

やっとの思いで獲得した新人社員が期待通りに働いてくれない、さらには何を考えているのかわからない。そんな残念なコメントをクライアント経営者から伺うこともありました。

特に若手世代では、PCやスマホを駆使するデジタルネイティブのミレニアル世代に続き、SNSに慣れ親しみ社会貢献にも積極的なソーシャルネイティブのZ世代が登場しています。

私も二人の息子がそれぞれの世代なので、どっぷり昭和世代の父親からすると、その言動には?(クエスチョンマーク)が付くことが確かにあります(笑)。

そうした若手世代だけではなく、高齢者や女性、さらに外国人を採用する企業が以前より増加しています。

結果的に「人材採用」の多様性が進む形ですが、上記の経営者コメントのように、有効な「人材活用」には必ずしも結びついていないことも多いようです。

クライアントの状況を見ると、その理由(問題点)として、次の2点が挙げられると考えます。

・仕事の目的及び必要能力に係る教育不足
・会社の価値観への過度な擦り合わせ要求

一点目については、初期段階に、対象となる仕事は何のために行うのか、どう顧客価値に繋がるのか、その実践に必要な能力・スキルは何かを説明し、その習得のために十分な教育研修を行うことが必要です。

特に中小企業では、新入社員がそのまま現場投入されるケースがありますが、それで最初から成果を求めるのは無理難題というものでしょう。

二点目については、会社(経営者や上司)の考え方=価値観を絶対視して押し付けないことが望まれます。

かつては通用したそうしたやり方は、人材の多様性=価値観の多様性が広がればなおさら難しくなるでしょう。

組織内でお互いに共感し合い、価値観をも共有できるのは一つの理想ですが、それを求め過ぎて個々人の内面に侵食し過ぎると、返ってモチベーションやパフォーマンスの低下に繋がる可能性もあります。

ここで、組織が協業し目標の達成に向けて取るべき基本スタンスは「アラインする」こと。アライン(align)の英語の意味は、歩調を合わせる・相手と肩を並べる・寄り添う、など。

周囲の人と価値観までは同化しないが、組織目標の達成に向けて協調し、ビジネスパーソンとして自分のやるべきことは必要レベルできっちりやる。

人材多様性で先行する欧米企業では基本となる考え方とされます。

年明け以降、世界的にも経済の低迷が見込まれていますが、そうであるが故に人材の有効活用がより重要になるでしょう。

自社の人材管理がこの先も適切かどうか、上記2点も含めて、改めて見直しが必要かも知れません。

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