杉本会計事務所

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2022.08.31
Contributor:ポン太

みかん山

先日叔父から甘夏をいただき、美味しくいただきました。
これから秋になり、みかんが色づく季節になります。

皆さんは、みかん畑に行ったことはありますか。
私は幼い頃、みかん栽培をしていた祖父に連れられて、よく山のみかん畑に行きました。


山のみかん畑は、急斜面にあります。
急斜面を利用して遊んでいた私たちは楽しかったですが、作業をしていた祖父達は大変だったと思います。

みかんは温度差のある土地ほどおいしくなると言われてます。
昔からみかんの名産地は海に面した山の斜面が多く、寒暖の差が大きいことや、太陽や海の照り返しなどの日当りも影響しています。
みかん栽培は水分調節が重要なので、水はけのいい斜面はみかん栽培に適しています。
水が溜まる土地だと余分な水分が入りすぎて味が薄くなり、皮と実の間に空気が入ったような浮き皮になってしまいます。

そして静岡には、昔から採れたてよりもみかんを甘くおいしくする技術があります。


すぐに出荷できるほど完熟したもの以外は貯蔵をします。

1~2週間ほど風を当てて皮や果汁の水分を3~5%くらい蒸発させることによって、収穫直後のようなフレッシュさを数ヵ月先まで保てます。
風を当て終わったら貯蔵庫に入れて、木の棚で本格的な貯蔵に入ります。
色づきと糖度のスピードが違うので、ちょうどいい色になったときに収穫して中身が熟しすぎてしまうより、ほどよい色で収穫して貯蔵で甘く育てたほうがいい味になるそうです。

一般的には採れたてほどフレッシュでおいしいと思われがちですが、みかん、特に青島のように寝かして甘みを育てたものは、とてもまろやかな味になります。
静岡は大正時代には貯蔵みかんの本場だったと言われていたそうです。

みかん山のお楽しみのひとつに、「ジェットコースターだ~」と騒いで乗っていたものがありました。

みかんを運ぶモノレールです。
このモノレール、収穫したみかんを運ぶものなので、人が乗ってはいけないのですが。
一度乗せてもらったら楽しくて、「乗せて~」と祖父にお願いをしていました。
ものすごい急勾配を進んでいく力持ちのモノレール、大好きでした。

祖父から叔父へ引き継いだみかん畑も叔父の代で終わりになります。
みかん畑は、様々な理由で耕作放棄地になりつつあります。

甘夏をいただきながらみかん畑を思い出し、みかんが色づく頃になったら懐かしいみかん山へ登ってみようかなと思っています。

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