杉本会計事務所

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2022.05.31
Contributor:ポン太

カルシファー

三重県熊野灘や静岡県駿河湾の水深200~400メートルの深海底に生息するジンゴロウヤドカリ。
このヤドカリが住む貝殻の上には共生するイソギンチャクがいます。


イソギンチャクは、自身の分泌物で「宿」の貝殻を大きくする一方、ヤドカリは別の貝殻に引っ越す際にはイソギンチャクを一緒に連れて行くなど、両者は強い共生関係にあると言われています。

共生関係
イソギンチャク
深海底に降り注ぐ有機物(マリンスノー)を効率よく摂餌できるように、口を上に向けた状態で貝殻上に付着しています。

ヤドカリ
深海という極限環境で、ヤドカリが成長する度に大きい貝殻を探して引っ越すことは難しい。
イソギンチャクに増築してもらえることは引っ越しの回数を抑えられるメリットがあります。

最近、以前から知られていたこのイソギンチャクが新種であることがわかりました。
そして、2つの関係がスタジオジブリの映画「ハウルの動く城」に登場する、宿主と契約をして城を守る火の悪魔「カルシファー」と似ていると、スタイロバテス カルシファーと命名されたそうです。


ハウルの動く城のカルシファー。
水に弱くおだてに弱いお調子者な一面があり、薪などのエネルギーで城を動かす原動力となっています。
契約により、魔力で生き延びているカルシファーは、ハウルが死ぬと同時に消滅してしまう存在です。

物語の序盤、戦争を嫌っているにもかかわらず、王の命令によって戦場に駆り出されたハウル。
戦場から帰還したハウルが戦いの惨状を語った時のカルシファーのセリフが印象的です。

「おいら火薬の火は嫌いだよ。奴らには礼儀ってものがないからね。」

薪などをエネルギーに燃えるカルシファーと人を傷つける火薬の火。
同じ炎でもその使用目的はまったく異なりますね。

どちらのカルシファーも、ギブ&テイクの相利共生のなかで生きています。

相利共生の関係にあるものは、
共に利益が得られるように、共に生き、共に進化を遂げていきます。

人が一人で生きられないように、会社もまた一社だけでは生き延びることはできません。
われ先にと猛スピードで突き進むのではなく、じっくりと見つめ、お互いのもつスキルや資源を生かしながら成長できるといいですね。

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