杉本会計事務所

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2022.04.03
Contributor:ポン太

切り離せない存在

人間が生きていくために欠かせないミネラルである「塩」。

生命が海から陸に上がるとき、海水と同じ成分を体内に持ち込みました。
それが血液や体液です。 血液と海水の成分はほぼ一緒。体液のミネラル組成も海水とほとんど同じといわれています。私たちの体には塩は必要不可欠だということがわかります。

古代から塩は非常に貴重な存在でした。
古代ローマでは兵士たちに給料として塩を支給し、それを「サラリウムアルジェンタム salarium argentum」と呼んでいたといいます。
本来、この言葉は兵士や市民1人1人に支給される塩の量を表していましたが、やがて塩を買うための手当を指すようになり、そこから派生した言葉が給与を表す「サラリー salary」という単語になり、現代にも残っています。

現代において塩の役割は大きく変わってきました。
食用として使われるよりも、ソーダ工業用を中心にさまざまな工業製品の原料として活用される割合の方が圧倒的に多くなっています。
現在、世界の塩の生産量の約8割は工業用の塩となっています。

そんななか、凍った塩水の技術が私たちの生活を大きく変えようとしています。
「ハイブリッドアイス」の登場です。
ハイブリッドアイスとは、不凍液と言われていた高濃度塩水を、瞬間的に凍結させることに成功した革新的な製氷技術です。

1)鮮度
ー21.3℃の泥状アイスに活魚を入れるだけで、瞬間的に高度な活け締めができます。
従来の冷凍技術に比べ、およそ20倍以上のスピードで対象物から急速に熱を奪うことが可能です。
解凍後のドリップが少なく高品質な冷凍品を提供できます。

2)安全性と低コスト
ハイブリッドアイスの製造に必要なのは、塩と水と電気のみです。
「氷」自体は自然物を利用しており、人体に無害、溶けた分は再利用も可能です。
「脱炭素」、「持続可能な社会」の実現に向けた冷熱エネルギーに貢献してくれます。

3)汎用性が高い
ハイブリッドアイスの冷凍技術は水産品だけではなく、食肉や乳製品・医薬品にまで活用できます。

江戸幕府の初代将軍、徳川家康はある日、側に仕える阿茶局に「この世で一番うまいものは何か」とたずねたそうです。
すると局は「それは塩です。山海の珍味も塩の味つけ次第。また、一番まずいのも塩です。どんなにうまいものでも、塩味が過ぎると食べられなくなります。」と答えたとか。

さじ加減ひとつで、長所も短所も引き出してしまう「塩」。

塩はこれからも私たちの生活とともに進化していくのでしょうね。

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