杉本会計事務所

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2022.02.28
Contributor:ポン太

海に降る雪

少しずつ春が近づいているのを感じられるようになりましたが、まだまだ寒いですね。

ところで、海にも雪が降っていることをご存知でしょうか。

暗黒の闇の中に静々と降る雪は、何万年、何億年もの長い間海の底に降り続け、海底を厚く覆っています。
この雪はマリンスノーと呼ばれています。
このマリンスノーは、もちろん本物の雪ではなく、海の上層から沈んできた生物の糞や、死骸などです。
潜水艦で海に潜ると、マリンスノーが雪のように降る様子がとても美しく見えます。

マリンスノーに含まれる生物の死骸のなかでも、特に殻を持った小さな小さなプランクトンの死骸には、彼らが生きていた当時の環境の情報が克明に記録されているそうです。
その死骸が海の底に降り積もってできた堆積物を詳しく調べると、昔の海がどんな環境だったのかを知ることが出来ます。
このことから、海底堆積物は海の歴史を記録したテープレコーダーなどと呼ばれています。

1年中真っ暗で水温も変わらない深海。

海の表層では、春になり暖かくなると植物プランクトンがたくさん増えます。
するとマリンスノーも増えて、深い海へと沈んでいきます。

深海には、表層の春よりも少し遅れてマリンスノーがたくさん降る「春」がやってくるようです。

深海生物たちも、マリンスノーというごちそうが増える「春」を、心待ちにしているのでしょうね。

※マリンスノー
1952年、北海道大学の井上直一氏と鈴木昇氏が、潜水艦の照明などで暗黒の海中を照らすと、海中の懸濁物がライトに照らされ、雪のように白く見えたことから、マリンスノーと名付けて和文・英文の論文で初めて用い、その後世界中でこの言葉が使われています。

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