2021.02.15
Contributor:ポン太
我が家には、大正15年生まれの94歳になる祖母がいます。
元気にしていた祖母ですが、1年ほど前から足腰が弱くなり、外出する機会がなくなってしまいました。
毎日自宅で一人で過ごす時間が多くなり、ぼけてしまうのではないかと心配しながらも、毎日自分自身の事で精一杯の私。
一緒に暮らしていても、なかなか祖母のもとへ行くことはありませんでした。
ここ1か月は、いよいよ起き上がれなくなり、寝たきり状態で過ごしています。
そんな祖母は、寝たきりになる直前まで、新聞を読むことと日記をつけることが日課でした。
新聞を毎日読んでいても、最近の出来事はすぐに忘れてしまうよ、困るねと言っていましたが、
新聞を読むことや日記を書くことが刺激になっていたのでしょう。
ぼけることもなく、なんとかしっかりとしています。
寝たきりになり、急に弱くなった祖母。
あそこが痛い、ここが痛い、こんなに痛いなら早くお迎えがきてほしいと、介護している母に毎日愚痴を言うことが多くなった祖母。
食欲もなくなり、いよいよなのかなぁと思っていると、おばあちゃんが私を呼んでいるよと言われ、祖母のもとへ行ってみました。
少し早いけれど、あんたの誕生日がくるからね。
ばあちゃん、あんたの誕生日まで生きていられないかもしれないから、先にやっておくよ
とプレゼントをもらいました。
もう、新聞を読むことも日記を書くこともできない祖母ですが、
ほんの少し前まで、毎日行ってきた「読み・書き・そろばん」は、とても大切なもので、今もなおコミュニケーションがとれる祖母の大きな成果だと思います。
「読む」
五感を駆使して情報を得る。
状況を認識する。文章を読んで理解する。人が言っていることを理解する。
「書く」
文字を書く。言葉を発する。情報を伝える。
「そろばん」
考える。判断する。判断の基準を見直す。創造する。
得た情報(読む)を基に、どのように行動(書く)するかを考えるプロセス。
人として身に付けるべき能力である「読み・書き・そろばん」
特にそろばんの能力は、自分の「書く」が周りにどのような影響を与えたかを再び情報として取り入れて評価し、見直しが必要な場合は見直しを行う能力です。
この能力を前向きに行うのか、なんとなくするのかで、その先の進み方が全く異なるのだと思います。
いくつになっても、いつの時代になっても「読み・書き・そろばん」は大切なのですね。
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