杉本会計事務所

代表コラム
DIRECTOR
COLUMN

2019.04.23
Contributor:motoki

アマゾンのプライム料金値上げと宅配問題

アマゾンのプライム会員料金(年会費)が3,900円から4,900円に値上げされます。25%以上の値上げですが、これは問題ないレベルだと思います。

理由として、プライム会員には、無料配送、動画コンテンツや音楽の無料視聴などの特典があり、またアメリカ・イギリス・ドイツなどの年会費は既に1万円以上で、日本の会費は値上げ後も依然として破格の安値と言えるからです。

今回の値上げはサービス拡充に向けた投資のためとされますが、配送費の増加なども影響したと考えられています。

アマゾンの無料配送は、例えば、ビジネス書(書籍)と飲料水(食品)とソックス(衣類)を夕方までに注文すれば、翌日午前中に全点同梱で宅配され、そのロジスティックスの仕組みとスピードには驚かされます。私の場合、ほぼ週1回は利用しているので、この無料配送だけで年会費の元は十分とれていると実感しています。

一方で翌日(当日)配送は本当に必要だろうか?という疑問もあります。なぜなら宅配の問題点として20%程度も再配達があり、翌日(当日)配達としながら、本来そこまで急ぎではないため、不在で受け取らないケースも多いと思われるからです。

この再配達は、労働力としても環境問題としても社会的な損失です。国土交通省の試算(2015年)によると、不在宅配で消費される労働力は9万人分、そのCO2排出量はスギの木1億7,400万本分のCO2吸収量に匹敵するとされています。

深刻な人手不足にある宅配業界では、再配達への対処も含め、宅配ボックスの設置、駅やコンビニの受取場所指定、AIやIOT活用による在宅認識等、様々な対応策の実用化が進んでいます。

そうした供給サイドの取り組みだけではなく、消費者サイドとしても、確実に受け取れる期日の指定や、再配達・早期配達・需要期の送料アップ等を受け入れることが必要ではないでしょうか?

アマゾンでも届け先として、宅配ボックスのほか、玄関・車庫・ガスメーターボックス・自転車のかご等の「置き配」の選択が可能となりました。これは置き場所に起因する紛失等のリスクを、消費者が取ることを前提にしているのでしょう。

消費者としては、何よりもまず「水と物流はタダ」とする意識を変え、経済や生活に欠かせない物流の価値を改めて認識し、上記のような対応を受け入れて行くことが求められていると思います。

私もそうした認識のもと、宅配業者さんには大変お世話になっているので、確実に家にいる時間を指定し、配達の方にはお礼を含め玄関先でほんの少し会話をさせて頂いています(笑)。

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