杉本会計事務所

代表コラム
DIRECTOR
COLUMN

2018.12.15
Contributor:motoki

Jリーグ指導者に学ぶ

先日クライアントの忘年会にて元サッカーJ1監督の方の講演を拝聴する機会があり、多くの気付きを頂きました。その中から3点を整理してみました。

① CQの重要性
伸びる選手はCQ(Curiosity Quotient:好奇心指数)が高く、練習の意味を理解した上で創意工夫を加える、監督やコーチのアドバイスも前向きに受け止め自分なりに解釈して取り込む等の共通点がある。
スタート時にテクニックやフィジカルに優位性があることはアドバンテージだが、それ以上にCQすなわち好奇心・主体性・創意工夫・前向きさ・オープンマインド等の特性を持っていることの方がその後の成長には大切。
(コメント)
IQ(Intelligence Quotient:知能指数)やEQ(Emotional Quotient:感性指数)と共に重要とされるCQ。CQの高さは、ハングリー精神・探求心・新経験に積極的・独創的アイデアを出す、といった点に表れるとされます。
ビジネスの世界でも、AIの進化によりIQの高さは差別化にならず、対人関係能力(EQ)が高いだけでは、求められるブレークスルーやイノベーションが生まれないため、CQの高い人材とそのマネジメントがより重要になっていると感じます。

② 論理的アプローチとMTM
最近の若手選手にハードなだけの練習を受け入れさせることは難しく、過去の実際のプレーを客観的に分析し、このプレーはここに問題がある、この技術を高めるにはこのトレーニングが必要、というように論理的アプローチによる説明が必要となる。
一方で、練習方法や試合での戦術に、絶対的な正解はない。その前提でレベルを上げて行くためには、試合で実践し、その結果を分析して練習で修正し、またそれを試合で試す、このプロセスを繰り返して行く。このアプローチをMTM(Match Training Match)という。
(コメント)
客観的な事実に基づく論理的な分析、仮説検証によりPDCAを回すアプローチ、そして、絶対的な正解はないという状況。これらはそのままビジネスにも共通するもので、大変参考になりました。
企業におけるPDCAについて言えば、PlanがなくDoのみ、PlanとDoの差異に対してCheckが不十分、Checkが次のActionに結び付いていない、といった状況を改善し、全プロセスを確実に早く回すことが求められます。MTMは身近なスポーツの世界におけるPDCA実践事例として参考になると思います。

③二つの決断力
監督も選手も常に決断力を求められるが、その決断力にはjudgementとdecisionの二つがある。前者は過去の事象に対する判断、後者は未来に向けての決断。状況が絶えず変化する試合では、過去の判断のみを当てにはできず、次のプレーをどうするかの決断、すなわちdecisionが重要になる。
(コメント)
企業経営者の中には、将来の打ち手の決断を直観と思えるくらい素早く的確に下される方がおられます。それは単なる思い付きではなく、おそらく過去における数多くの事象や経験と、それに対する価値判断を確実に積み上げて来た結果ではないかと思います。将来に向けてのdecisionの精度を高めるために、日々の実践について振り返りを怠らずjudgementに磨きを掛けることが必要と考えます。

上記の3点以外にも、監督としてのマネジメント力、コミュニケーション力、情熱、リーダーシップ等について言及され、ビジネスにも、個人としても、大変有意義な講演でした。講師の方とクライアントに感謝!です。

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