杉本会計事務所

スタッフコラム
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2022.08.01
Contributor:ポン太

夏の小さなお客様

夏になると見かける我が家の小さなお客様がいます。

それは、ヤモリです。
よく壁などにくっついている姿を見かけますが、足がぷっくりしているその姿は可愛いらしいです。

でも、どうやって垂直の壁にくっついているのでしょうか?

ヤモリの足は
カエルやイモリのような吸盤状にして張り付いたり、
カタツムリのように粘液で張り付いたりするのではなく、
指ごとに趾下薄板(しかはくばん)と呼ばれる構造になっていて、これによりつるつるした窓ガラスもなんなく張り付けるようになっています。

趾下薄板(しかはくばん)

ヤモリの足の裏には細かい毛が50万本も密生しており、その先端が無数に枝分かれ、さらにその先が200ナノメートル程のへら状になっているという構造で、あまりにも細かいので、分子同士が吸着する際に発生する力と同じ作用が発生し、どこにでも吸着出来るようになっています。
ヤモリの手の接着力は自分の体重の50倍を支えることができ、また1秒間に自分の体長の20倍の距離を動くことができるらしいのです。
強力な接着力を持ちながら、素早くその接着力をOn/Offしているなんて・・・すごいですね。

そんなヤモリの足にヒントを得たテクノロジーが生まれました。
ヤモリテープです。

使用する場所が多岐にわたるテープにおいて、
「どんな素材にもくっつくことができる」
「強く貼り付き、弱い力で剥がせられる」
という理想を追求した結果できたものです。

ヤモリテープの接着面はカーボンナノチューブによってヤモリの足の裏にある繊毛が表現されています。
ヤモリテープは、1平方センチメートルのテープ片で4.6kgの重さに耐えることができるそうです。
しかもガラスのようなツルピカのものにも貼り付けることができるんですよ。

普通のテープは剥がすときに、粘着部分が糸を引いて元々貼り付いていた場所に残るなどして汚れてしまいましたが、ヤモリテープは粘着界面から30°の角度をつければ簡単にきれいに剥がせます。

小さなお客様の可愛い足には、そんな素晴らしい能力が隠されていたのです。

ヤモリは人の住環境の周辺に生息しています。
害虫を食べてくれているので「家を守る」と言われており、それが転じて「ヤモリ」と呼ばれるようになったそうです。

家の中に虫が入ってこなくなり、屋外にも殺虫剤を撒くようになった昨今では、そのありがたみも忘れられ、なんんとなく気持ち悪いグループに入れられるようになってしまった感じがあります。

活動が活発になるこれからの時期、壁などにジッとしているヤモリを見つけたら、「気持ち悪~い」なんて思わず、可愛くて凄い能力をもったその足をそぉっと見てあげてください。

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