杉本会計事務所

代表コラム
DIRECTOR
COLUMN

2020.11.30
Contributor:motoki

OODAループという考え方

 今月は、3月決算上場会社の多くが第2四半期決算を公表しました。コロナ禍で業績の二極化が見られ、来年3月期の計画数値に着目すると、大きく変動した企業や未公表を継続する企業も少なくありません。上場会社であっても、先が見通せない状況が続いています。

この計画数値に関して、日本では事業計画を1年の単年度計画や3年から5年の中期計画として策定しますが、米国アップル社では次のように考えているそうです。

3カ月計画=事業計画
1カ年計画=中期計画
3カ年計画=ドリーム

要するに、事業計画の基本サイクルは短期の3カ月(四半期)で、1カ年計画を中期計画とし、3カ年計画は、もはや夢物語(ドリーム)でしかないという認識です。

このことは、OODAループ(ウーダループ)に関する書籍で知ったものです。

OODAループとは、まず周囲を観察(Observe)し、情勢判断の上で仮説を立て(Orient)、その中で最善案を選択し(Decide)、実践(Act)し、その結果も踏まえ次の観察に繋げるループを回していく意思決定・実践手法とされます。

新規事業や起業において、未完の商品・サービスを小規模かつ迅速に市場で試し、改良を加えながら成長を図る経営手法リーン・スタートアップなどが、OODAループの活用として挙げられます。

OODAループはPDCAサイクルと対比されますが、PDCAが計画(Plan)ありきを前提とするのに対し、OODAは計画立案自体が困難な場合に、まずは状況を観察し、仮説を素早く立て実践し、さらに次の観察に移行するループを高速に回すことに主眼が置かれます。

 私は、監査法人時代から独立後の現在に至るまでに、企業規模によらず、計画を綿密に立て予実管理と修正を確実に行う企業(PDCA)、環境変化に合わせ機を見るに敏な対応で、新たな商品等を素早く打ち出す企業(OODA)、両方の経営を目にして来ました。

現場近くではOODA、全社管理ではPDCAが重要と言えますが、いずれも事業や商品自体ではなく、会社の仕組みの回し方=組織能力であり、マネジメント(経営者)の考え方が色濃く反映します。

現下のコロナ禍においては、単年度計画でさえ立案困難な状況ですが、必達の利益やキャッシュフローを目標としてPDCAを実践する一方で、現場主体にOODA的発想も取り入れ、いずれも速く回す仕組みとして取り込んで行くことが、簡単ではありませんが、どの企業にも必要かも知れません。

組織能力としての仕組み化において、PDCAもOODAも計数管理が土台となります。ここはクライアントサービスにおいて私たちが関与するところです。

二つの手法・考え方について経営者との理解の共有も含め、その仕組み化に向けて側面から少しでもサポートができればと考えています。

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