杉本会計事務所

代表コラム
DIRECTOR
COLUMN

2019.03.12
Contributor:motoki

やりたいと思える仕事の見つけ方

前回コラムで、私の考える究極の職業観は「お金を払ってでもやりたいことを、お金を頂いてやる」であり、その意味するところは「心底やりたいと思えることを仕事にして、世の中に対して価値を生み出すこと」と書かせて頂きました。

では、やりたいと思える仕事をどうやって見つけるか。
私は次の3つの方法があると考えます。

・選び抜く
・見出す
・創り出す

まずは、様々な職業の中で、やりたいと思える仕事を「選び抜く」方法。
この方法は、それまでの経験や学びの中で、自分のやりたいこと(価値観)が明確になっていることが前提であり、それに合致した職業を、変化する世の中の動きも見極めながら選択するというものです。

次は、今の仕事の中に、やりたいと思えること(やりがいを感じるもの)を「見出す」方法。
誰しも諸般の事情や経緯から、たまたま今の職業に就くということはあり得ること。そこで与えられた仕事の中で、自発的にやりがいを見出し、やりたいと思えることに転換していくことは、本人の考え方とやる気次第で十分可能であると考えます。

最後は、やりたいと思えること(仕事)を自ら「創り出す」方法。
いわゆる起業がこれに該当しますが、会社の設立(事業主になること)のみならず、在籍する会社の中で新規事業を提案し実践する、業務を改革して組織に貢献するといったことも当てはまると思います。

3つの方法の中で、私は2番目の「見出す」という方法が、実は一番実現しやすい、やりたいと思える仕事の見つけ方ではないかと考えています。

ちょうど共感できる考え方が、日経ビジネス(2月18日号)の働き方に関する特集「どこにある?ベストな人生」の中で示されていました。

この特集では「ワークライフバランス」や「好きを仕事にする」という考え方、さらには米国の若手世代に拡がりつつあるFIRE(Financial Independent, Retire Early=早期に経済的独立を目指す潮流)などと対比しつつ、「目の前の仕事の幸福感を増やす方法」が解説されています。

ここで紹介されている川崎市の文具メーカー日本理化工業の事例は、とても素晴らしいものです。

同社は、全従業員の7割以上を占める障害者と、それをサポートする他の従業員との間の相互信頼・相互扶助の関係を、体制整備も継続しながら築き上げて来た結果、ほぼすべての社員が仕事にやりがいと幸福感を感じる職場作りに成功しています。

この方向性の正しさを経営者が認識し実践して行く契機になったのは、なぜ障害を持つ社員が懸命に働くのかについて、禅寺住職に問い掛けて得た次の答えでした。

「人間の究極の幸せは、愛されること、褒められること、役立つこと、必要とされること。施設や家庭でできるのは、愛されることだけで、他の三つは働くことでしか得られない。」

やりたいと思える仕事、そしてそこから得られる幸福感は、仕事そのものだけではなく、褒められること、人の役に立つこと、必要とされていること、という仕事で関わる周囲の方たちとの人間関係から得られるものであることを、改めて認識させてくれる感動的なエピソードだと思います。

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