杉本会計事務所

代表コラム
DIRECTOR
COLUMN

2019.02.10
Contributor:motoki

繁忙期だからこそ、仕事の原則を大切に

この時期(年末から5月末あたりまで)は、会計事務所にとって繁忙期となります。なぜ繁忙かと考えると、 それは複雑な業務や判断が難しい業務ではなく、決算申告等のルーチン業務が同時期(同期限)に集積するからです。

ルーチン業務ゆえに仕事のやり方次第で、繁忙の程度は変えられると考えています。

その仕事のやり方について、繁忙期以外でも必要ですが、繁忙期だからこそ意識したい3つの基本原則として、次のとおりまとめました。

・ステップバック(全体を俯瞰する)
・フロントローディング(段取り八分/早期着手)
・バックキャスティング(ゴールからの発想)

ステップバックとは、一歩後ろに下がって離れたところから全体を俯瞰すること。仕事が重なって来ると目先の仕事に精一杯となり、仕事全体を見渡すことが疎かになりがちですが、忙しいからこそ、敢えて一歩引いた位置から全体を見渡し、仕事をコントロールしたいところです。

仕事全体を俯瞰する際のポイントとしては、2つのソウタイ、「総体」と「相対」を意識することが重要です。総体は仕事の全体像、相対は仕事の構成要素の相互関係のこと。相対は、重要性・時間軸・業務フローなどの観点から、個々の業務の全体における位置付けを把握します。

繁忙期でも、定期的にステップバックして仕事全体を俯瞰し、進捗は予定どおりか、クオリティレベルはクライアントと共有できているか、必要書類やデータは揃っているか、事務所内でのコミュニケーションは十分かなど、必要な確認と修正を行いながら全体感を持って業務を進められれば、生産性は向上すると考えています。

2番目のフロントローディングは、前の方(フロント)に仕事の負荷を持って行く(ロードする)こと。製造業等で設計や工程の初期段階に負荷をかけ、後工程の効率化や問題発生を防ぐことを目的とする考え方です。

会計事務所の繁忙期に当てはめると、締切りは法的にもmustなので、その直前に業務が集中し問題が生じないよう、いかに業務を前倒しで進められるかがカギになります。重要なこと、時間や手間のかかること、他の人と共働すること、クライアントにお願いすることなどを十分に考えて、できる限り早くプランを立て、主要業務からすぐに手掛けること。段取り八分と早期着手が大切です。

3番目のバックキャスティングは、一つずつ積み上げた先をゴールとするのではなく、先にゴールを定めてそこから今何をするかを逆算して考えること。これまた繁忙期ゆえに、全ての業務に時間を掛けてコツコツと積み上げて行くと完了が期限ギリギリになり、結果的にクオリティを下げたり、間違いが生じたりする可能性が出てしまいます。

ゴールを明確にし、そこに到達するためにやるべき業務を見極め、ゴールから逆算して時間配分を決め、日々の予定に具体的に落とし込むことが必要です。

会計事務所のこの先の予定としては、2月末申告(12月決算法人)、3月の個人確定申告、そして5月末申告(3月決算法人)と業務の集中時期が続きます。

3つの原則を意識して、受動的に仕事に追われることなく、主体的に仕事を位置付けて仕切って行くことで、事務所全体として繁忙期を乗り切って行ければと思います。

スタッフの皆さん、よろしくお願いします!

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